| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) L03-04  (Oral presentation)

位相振動子モデルによるニホンアマガエルの同期発声戦略の実験的解析
Experimental Analysis of Calling Synchronization Strategies in the Japanese Tree Frogs Using a Phase Oscillator Model

*古川温馬(京都大学), 川口奏音(筑波大学), 武田龍(大阪大学), 合原一究(筑波大学), 青柳富誌生(京都大学)
*Haruma FURUKAWA(Kyoto Univ.), Kanato KAWAGUCHI(Univ. of Tsukuba), Ryu TAKEDA(The Univ. of Osaka), Ikkyu AIHARA(Univ. of Tsukuba), Toshio AOYAGI(Kyoto Univ.)

多くの動物は音声を用いてコミュニケーションを行い,ニホンアマガエルのオスも繁殖期にリズミックな鳴き声でメスに位置情報を伝える。本種では複数のオス間で鳴き声の位相同期が生じることが知られ,互いに干渉せず交互に鳴く逆相同期や,別個体の鳴声に被せるように鳴く同相同期などが観察されている。このようなリズム同期現象は行動戦略の多様性を反映すると考えられるが,個々のカエルの発声タイミングを実験的に制御できないため,その詳細な制御則および戦略の多様性解明は困難であった。本研究では,実個体の鳴き声をマイクでリアルタイムに検出し,それに応じてスピーカー音声を制御することで,カエルの行動戦略の誘起を試みた。具体的には,位相振動子としてモデル化したカエル個体の同期状態を,刺激音声とのフィードバック制御により同相・逆相に誘導した。その結果,カエルと刺激音声の関係は同期と非同期の境界付近にあり,同相刺激を与えた場合でも必ずしも同相同期にならず,逆相同期に転じる事例が観察された。また,得られた時系列データから,各個体間のリズム調整特性を表す結合関数をデータ駆動的に推定した。


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