| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) L03-10  (Oral presentation)

適応度関数の切り替わりに注目した個体間の闘争の進化
Evolution of interspecific competition focusing on the switching of fitness functions

*伊藤公一, 神野孝弥(同志社大学)
*Koichi ITO, Takaya KANNO(Doshisha Univ.)

自然界では協力や競争など、他者の振る舞いが自身の利得を左右するような相互作用がしばしば存在する。このような協力や競争への投資量の進化は、一般に適応ダイナミクスと呼ばれる解析手法を用いて調べられてきた。適応ダイナミクスでは、適応度が自身や他者の投資量に対して連続かつなめらかに変化することを仮定している。しかし、実際の自然界における現象では、適応度関数は不連続、あるいは滑らかでないこともあるかもしれない。例えば、競争の古典的モデルの一つに持久戦ゲームが存在するが、このゲームでは持久戦の結果生じるコストが競争の敗者の待ち時間、すなわち敗者の競争への投資量に依存すると仮定している。これは、両者の投資量の大小関係に応じて自身の投資量が闘争のコストに与える影響が切り替わるため、適応度関数は滑らかでなくなる。同様に、協力において、最も大きな投資量が協力の利益の大きさやその配分に影響を与える場合にも、適応度関数は不連続や滑らかでないものとなりうる。本発表では、こうした投資量の大小に基づく適応度関数の切り替わりが存在する場合に注目し、生じる進化動態について個体ベースモデルと適応ダイナミクスに準じた解析手法、それぞれの結果を比較しつつ、その性質について報告する。


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