| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(口頭発表) L03-12 (Oral presentation)
クジャクのオスの長い尾羽のように生存には不利で,一方の性だけに発現する形質は,それを他方の性が好むことによって進化してきたと考えられている.ダーウィンがこのような性淘汰の考え方を提唱して以来,フィッシャーによるシナリオ(ランナウェイ過程:メスの選り好みがますます強くなり,ますます息子がセクシィになるように進化する)が示されて,O'Donald (1980)による数理モデルが登場した.その後,メスの選り好みにコストがかからない場合には,Lande (1981)の量的形質のモデルやKirkpatrick (1982)の2遺伝子座モデルによって,ランナウェイ過程が起こることが示された.
本研究では,集団が格子空間上に広く分布している場合の個体ベースモデルとして2遺伝子座モデルを扱う.各格子点にはオスとメスが1匹ずつ占有し,交配相手は近傍の個体から選ぶような局所的な相互作用を考える.Pomiankowski (1987)は,メスの選り好みにコストがかかる場合には,オスの派手な形質の進化とメスの好みの進化は一時的なものであることを示したが,個体間相互作用が局所的である場合にも同じ結果が得られるだろうか? オスの形質やメスの選り好みの空間的な分布が変化しながら進化していく様子を検討する.