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一般講演 C3-03

多摩川に侵入したフロリダマミズヨコエビの微生息環境および消長

*金田彰二(日本工学院環境),倉西良一(千葉県立中央博),佐竹潔(国環研),石綿進一(神奈川県環境科学センター),清水高男(淡水ベントス研),平良裕之(生物科学研)

フロリダマミズヨコエビCrangonyx floridanus Bousfield 1963は、ヨコエビ目Amphipodaマミズヨコエビ科Crangonyctidaeに属し、アメリカ合衆国フロリダ州で記載され合衆国南東部に広く分布しているが、近年、カリフォルニア州にも侵入している。日本では1989年に千葉県我孫子市の古利根沼で始めて確認され、その後関東地方の河川・池沼などで見つかるようになり、1990年代後半から東北以南の河川中・下流域に広がった。多摩川では、1997年頃から中・下流域の本流および支流に分布するようになった。我々は、東京都世田谷区・二子橋付近で採集された標本調査および2005年1月から毎月フロリダマミズヨコエビの定性採集および底生動物の定量採集を行っている。標本調査および採集結果から各季節において幼体、オス、未成熟メスおよび成熟メス(抱卵メス、経産メス)のそれぞれが観察された。在来のアゴトゲヨコエビの場合は、冬から春にかけて成熟し、夏季は幼体のみとなる一化成である。フロリダマミズヨコエビは年中繁殖個体が見られ、多化性であると推測される。礫底の水際と平瀬およびワンドの水際植物帯では、幼体、オス、未成熟メス、成熟メスのそれぞれが観察された。早瀬ではオスと未成熟メス、砂泥底の淵では幼体とオスが観察された。フロリダマミズヨコエビの分布拡大・定着を可能にしている要因としては、1)平地の河川・池沼などに生息、2)礫底(水際・平瀬・早瀬)、砂泥底(淵)、植物帯などに生息、3)1年中繁殖可能、などが考えられる。

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