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一般講演 D1-05
日光戦場ヶ原湿原の逆川流入域では過去に繰り返し土砂流入が起こり、その影響を強く受けた森林群落が発達している。ここに設置された6.3haの固定調査区では、1982年以来、樹木分布の追跡調査がおこなわれ、土砂堆積に耐性を持つズミの優占林が分布拡大していることが明らかになっている。本研究では調査区内で過去22年間に生じた構成種と林分構造の変化を明らかにするとともに、林分構造の異なるいくつかのズミ優占林分においてズミの成長様式、樹形形成の性質と関連づけて、その発達過程を明らかにすることを目的とした。
2004年に固定調査区内の全木本種(胸高直径10cm以上)の位置記録を行った。固定調査区内を20m×20mのサブコドラートに区分し、樹種構成とそのサイズによりクラスター解析を用いて分類した結果、ハルニレ林、オノエヤナギ林、ケヤマハンノキ−シラカンバ林、ズミ−イヌコリヤナギ林、サイズ構成の異なるズミ林3つなどの合計10タイプに区分された。サイズ構成の異なる3つのタイプのズミ林をそれぞれ含むように、ズミが優占する地域に20m×20mの調査区を5つを設置し、各株を構成する全ての幹の年輪を採取し、胸高直径や樹高、樹冠の広がり、幹の傾きなどを測定した。