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一般講演 F3-07

Lotka-Volterra方程式の定性的パーマネンス

Josef Hofbauer (ウィーン大学), *今隆助(九州大学),齋藤保久(静岡大学)

Lotka-Volterra方程式における種の共存可能性と相互作用行列の関係について考える.内部平衡点(共存平衡点)の大域(漸近)安定性と相互作用行列との関係は古くから研究されており,内部平衡点が存在する限りそれが大域安定となるための相互作用行列の符号パターン(種間構造)が知られている(Takeuchi et al., 1978, Hofbauer and Sigmund, 1998).しかしながら,内部平衡点が不安定であっても,振動を伴う形で種が共存することも可能であるため,このような符号パターンを満たさなくても,共存は可能である.そこで,個体数がゼロに近づかないことを意味するパーマネンスという系の性質に注目し,内部平衡点が存在する限り系がパーマネンスであるような相互作用行列の符号パターンについて調べる.このような性質を満たす相互作用行列を定性的パーマネンスな行列であるという.本発表では,相互作用行列が定性的パーマネンスになるための十分条件と必要条件について報告する.

日本生態学会