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一般講演 P1-008
メスが複数のオスと交尾をする場合、メス体内で受精をめぐって精子競争が起こりうる。メスがより多くのオスと交尾をする種や集団ほど、オスにとっての精子競争のリスクは高くなるので、そのような種や集団のオスほど、より精子競争能力を高めるよう進化すると考えられる。本研究では、アズキゾウムシを用いて、メスの再交尾率が高い集団 (high集団) と低い集団 (low集団) を比較することによって上記の仮説を検証した。high集団のメスに対して、high集団のオスとlow集団のオスを一回ずつ交互に交尾させ、そのP2値 (2回目に交尾をしたオスが受精させた子供の割合) を測定した。その結果、high集団のオスが一回目の交尾相手のときはP2値が低く、high集団が二回目の交尾相手のときはP2値が高かった。low集団のメスに対して一回目にlow集団のオスを交尾させ、二回目にhigh集団のオスを交尾させたときも同じくP2値が高かった。このことから、メスの再交尾率の高い集団のオスは、どちらの集団のメスに対しても精子競争能力が高いことが示唆された。本研究により、メスがより多くのオスと交尾をする集団のオスの方が、精子競争能力をより進化させているということが示唆された。