二次林の断片縮小化がオオムラサキの密度に及ぼす影響を明らかにするため，(1) 二次林のパッチ面積と単位面積当たりのエノキ（食樹）の密度の関係，(2)単位面積当たりのエノキの密度と食樹当たりの幼虫個体数の関係，(3)パッチ面積と食樹当たりの幼虫個体数，および(4)食樹当たりの幼虫個体数と最も広い二次林パッチから食樹までの距離との関係を調べた。二次林パッチの面積が減少すると食樹当たりの幼虫数は有意に減少した。しかし，単位面積当たりのエノキの密度は有意に増加した。食樹当たりの幼虫数と食樹から調査地内で最も広い二次林パッチまでの距離との間には有意な負の相関があった．これらの結果から，二次林の断片化が本種の個体群に及ぼす影響を検討した。