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一般講演 P1-186
東京都多摩地域に生育するコナラ4個体から、着果がみられる1m長の枝(モジュール)16本を採集し、果実数、サイズと着果枝の着葉数、葉面積との関係を調べた。各モジュールの当年枝(着果枝・非着果枝・徒長枝)について総着葉数と総葉面積を、着果枝について総着果数と平均果実サイズを計測・算出した。また、当年枝を含むより高次の枝単位で関係性を調べるため、各前年枝(一年枝)、前々年枝(二年枝)、前前々年枝(三年枝)で総着葉数、総葉面積、総着果数、平均果実サイズを算出し解析に用いた。
当年生着果枝では、平均果実サイズと総着葉数との間に弱い正の相関関係がみられたが、一年枝、二年枝、三年枝では、総着葉数、総葉面積の両項目と有意な関係はみられなかった。一年枝、二年枝の総着果数は,総着葉数、総葉面積と有意な正の相関を示し,特に徒長枝を含む枝で総着果数が多い傾向がみられた.
当年枝および一年枝、二年枝、三年枝内に含まれる着果枝の着果数と総着葉数、総葉面積との間には、着果数が多いほど総着葉数と総葉面積が増加するという、有意な正の相関関係が認められた。二年枝、三年枝では、着果枝の着果数の増加とともに、徒長枝の総着葉数および総葉面積の値が大きくなる傾向がみられた。一年枝、二年枝、三年枝内に含まれる非着果枝では、着果数の多い着果枝で総着葉数と総葉面積の値が小さくなり、この傾向は三年枝でより顕著にみられた。
以上の結果から,当年枝、一年枝、二年枝、三年枝の総着果数の多い着果枝では、総着葉数および総葉面積が大きくなること、総着果枝の多い一年枝、二年枝、三年枝では、総着葉数、総葉面積が非着果枝で小さく、二次成長葉である徒長枝で大きくなることが明らかとなった。