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一般講演 P2-112

140年生スギ人工林における広葉樹の空間分布に与える地形とスギの影響

*井上貴文,楠本聞太郎(九州大・生物資源),長慶一郎,山内康平,鍛治清弘,椎葉康喜,井上一信,作田耕太郎,田代直明,榎木勉,井上晋(九州大・農)

本研究では、暖温帯上部の高齢スギ人工林において、天然更新した広葉樹の分布に影響を与える要因の地形による違いを明らかにすることを目的とした。広葉樹の分布に影響を与える要因として、植栽木であるスギの分布、その他の広葉樹の分布、地形の凹凸度、傾斜角度、開空度、土壌深度を調査し、尾根、斜面、谷で各要因がどの程度影響を与えているか検討した。

調査は九州大学福岡演習林内の植栽後約140年が経過したスギ造林地に設置された1ha(100m×100m)のプロットで行った。プロットは10m×10mのグリッド100個からなる。グリッドごとに、周囲長15cm以上の毎木調査、全天空写真の撮影、土壌深度の測定を行い、各グリッドの交点の標高を測量した。

出現種は樹高10mを境に上層木と下層木に分けた。グリッドごとに、広葉樹とスギのそれぞれ上層木と下層木のD2Hの合計、凹凸度、傾斜角度、開空度、土壌深度を算出した。各グリッドを標高によって3つの地形に区分した(尾根30グリッド、斜面50グリッド、谷20グリッド)。区分した各地形において、グリッドごとの凹凸度、傾斜角度、開空度、土壌深度、スギ上層木のD2H、広葉樹上層木のD2H、広葉樹下層木のD2Hそれぞれを変数としてパス解析を行った。

パス解析の結果、区分した各地形における各変数の関係には違いが見られた。広葉樹上層木のD2Hは、それぞれの地形で凹凸度との間に正の関係が見られた。広葉樹下層木のD2Hは、尾根では、スギのD2Hとの間に正の関係が、広葉樹上層木のD2Hとの間に負の関係が見られた。斜面では、凹凸度との間に正の関係が見られた。谷では凹凸度との間に正の関係が、開空度および土壌深度との間に負の関係が見られた。

日本生態学会