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一般講演 P2-121

釧路湿原ハンノキ林の分布・動態・更新 #1 ハンノキ林の分布と立地環境

*植村滋(北大・フィールド科学センター),中村隆俊(東農大・生物産業),矢部和夫(札幌市大・デザイン),山田浩之(北大・農)

北海道東部の釧路湿原で、近年急速に拡大しているといわれるハンノキ林と立地環境の対応を明らかにするために、自然再生事業が行われている湿原南東部の広里地区(1ライン)と南西部の温根内・安原地区(3ライン)において、湿原の植生区分と立地環境の関係を調査した。TWINSPAN解析の結果、ハンノキ優占群落(4タイプ)と、ヨシ‐スゲ゙群落(フェン)、スゲ゙‐ミズゴケ群落(ボッグ)が各2タイプの、合計8タイプの群落型が抽出された。また、両地区の各調査ラインにそれぞれ特徴的に出現するハンノキ群落の型がみられた。CCAの結果、特に酸性の強い立地にイソツツジ-ヤチツツジ群落(ボッグ)が集中的に分布したが、これはボッグの一般的特徴である酸性環境を強く反映していると考えられた。また、土壌水中の塩類濃度が高く、水位が比較的低い環境と、ムジナスゲーイワノガリヤス群落(フェン)およびハンノキーツルスゲ群落の分布が密接な対応関係を示した。これは、広里地区が特に塩類濃度の高い立地であることを反映しているものと考えられた。

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