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一般講演 P2-129
日本の半陰地生1年草群落について植物社会学的な考察を行った.
半陰の林縁や路傍に生育する多年草群落についてはヨモギクラス Artemisietea principis Okuda in Miyawaki et al. 1972,チヂミザサオーダー Oplismenetalia Murakami, Nakamura et S. Suzuki 2002,ミズヒキ−ドクダミ群団 Polygono filiformis-Houttuynion cordatae Ohba, Sugawara et Ohno 1978 em Ohba et Sugawara 1982の生育が確認され,多くの群集,群落が記録されている.しかし隣接した環境に生育している1年草群落に関しては唯一,ハナタデ−ヒメアシボソ群集Persicario-Microstegietum viminei Ohba 1973のみが報告されているにすぎない.
大場(1973, 2000),村上・中村(1997)などの既発表,一部未発表資料の種組成の比較,研究の結果,半陰地生1年草群落として以下の3型に区分される群集,群落が認められた(*はシカ食害下の偏向遷移相).
A.優占種,構成種共に1年草が卓越するもの:
・シソ−アオジソ群落(*)
・イヌコウジュ−ヒメジソ群落
・ミヤマタニソバ群落
・メナモミ群落
B.優占種が1年草であるが構成種に多年草を多数含むもの:
・エゴマ群落
・ハガクレツリフネ群落
・ハナタデ−ヒメアシボソ群集
C.優占種は多年草であるが構成種に1年草を多数含むもの:
・マツカゼソウ群落(*)
これらの植生単位に関し,隣接するヨモギクラス,シロザクラス,セイヨウオオバコクラスの植生との種組成的な類縁性について考察した結果,AおよびBの一部については既存のクラスからの一定の独立性が確認された.