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一般講演 P2-153

北海道北部の針広混交林における林内落下種子の空間パタン

*吉田俊也, 植村滋(北大・北方生物圏フィールドセ)

種子落下量の林分内における空間変動について、北海道北部に位置する北海道大学雨龍研究林で行われている7年間のモニタリングデータをまとめた。とくに、樹種による空間変動の大きさ、同種個体間の同調性、母樹量との関係に焦点をあてる。調査地は同研究林416林班にある針広混交林の天然林である。面積0.5haの調査地内に、開口部面積0.5m2の種子トラップを約10m間隔で均等に50個配置し、6-10月の期間中毎月1回回収した。積雪期間については、底をすのこ状にした木箱(0.5m2)を設置し融雪直後(5月)にまとめて回収した。内容物の選別の際、外見からの判断で健全(発芽可能)と区分されたものを「落下種子数」として数えた。

50個の種子トラップでカウントされた落下種子数の年平均値は237 個 0.5m-2)で、トラップ間で83−704個 0.5m-2のばらつきがあった。落下種子数の変動係数は、おおむね風散布種で低く鳥散布種で高かったが、例外もあった。上層木の胸高断面積合計(BA)の変動係数(トラップの配置と重なる空間スケール=10×10m)との関係でみると、種子落下数の変動が、上層木BAの変動に比して小さいグループと、おおむね上層木BAの変動と一致するグループとが認められた。前者は、主に種子散布距離が長いと見積もられる風散布種(シラカンバ、ダケカンバ、トドマツ、アカエゾマツ)で構成されるが、鳥散布種のキハダも同様の傾向を示した。後者には、ミズナラ、ナナカマド、ハリギリ、イタヤカエデ、シナノキが含まれた。同種個体間の同調性は、多くの樹種で高かった。これらの観察されたパタンを生じる要因について考察する。

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