| 要旨トップ | ESJ54 一般講演一覧 | | 日本生態学会全国大会 ESJ54 講演要旨 |
一般講演 P3-052
平成18年10月に「多自然川づくり基本指針」が定められた。今後は「多自然川づくり」をすべての川づくりの基本とし、事前調査から事後調査まで一貫した河川管理を進めていく必要がある。しかし、現時点では護岸を設置した場合の生態学的な効果は不明な部分が多い。本研究は、様々な形式の低水護岸を類型化して魚類の生息場としての機能を調査し、今後、多自然川づくりを行う際の基礎資料を提示することを最終目標としている。本研究では、木曽川支流新境川に設置されている様々な護岸を以下の4タイプに区分して行った秋季の魚類調査の結果について報告する。
1 石間隙タイプ 径5〜15cmの栗石を詰めた鉄線のかごを河岸に設置するタイプである。柔軟性のある多孔質構造であり、覆土による植生の復元や生物の生息場を創出する。蛇籠やフトン籠、かごマットが該当する。
2 ブロック間隙タイプ 環境保全型ブロックの中でブロック表面部に孔を設けたものを河岸に設置するタイプである。ブロックの内部に栗石や土砂を充填し、植生の復元や生物の生息場を創出する。
3 入り組みタイプ 丸太と自然石を組み合わせて凹凸のある法面を構築するタイプである。環境保全型ブロックの中で法面に凹凸ができるブロックもこのタイプとする。
4 植生タイプ 植物の根を通すことが出来るシートで河岸を覆い、植生を繁茂させるタイプである。シートの素材は植物繊維系や合成高分子系のものがある。