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一般講演 P3-203

日本産ヒゲナガカミキリ属Monochamusの交尾器進化

*土岐和多瑠,久保田耕平(東大院・農)

ヒゲナガカミキリ属は、アフリカ、ユーラシア、北米に約150種が分布している。そのうち針葉樹食性の種は、世界的林業害虫であるマツノザイセンチュウを媒介する、又は、媒介する可能性が示唆されており、問題となっている。

本研究では、まず、日本産ヒゲナガカミキリ属10種のうち、Monochamus亜属の9種についてミトコンドリアDNAのCO1領域、16S領域の塩基配列を解読し、分子系統を構築した。結果、広葉樹食性の種と針葉樹食性の種とが遺伝的に大きく分かれた。

次に、従来カミキリムシ科では分類形質として用いられることの少なかった交尾器形態について詳細に調べ、形態形質を抽出した。交尾器形態についても広葉樹食性の種と針葉樹食性の種とで大きく分けられた。

抽出した形態形質について、分子系統樹を用いて解析を行い、交尾器形態の進化過程を推定した。

発表では、推定された日本産ヒゲナガカミキリ属の交尾器形態形質の進化過程について、種間の相同性や雌雄交尾器の進化過程の比較についても合わせて述べる。

日本生態学会