| 要旨トップ | ESJ58 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
シンポジウム S02 -- 3月9日 9:00-12:00 B 会場
水域と陸域の境界部である海岸には、海から供給される砂や塩分の影響と,そこに定着する植物の耐性のバランスによって独特の海浜植生が成立する。このうち比較的大きな砂浜海岸では,多年生草本を中心とした群落が成立するなど,海浜植生は草原の成立しにくい日本列島においてユニークな生態基盤といえる。しかし護岸工事などの人為改変や砂浜の侵食などにより海浜植生は希少化してきている。加えて,歴史的には比較的近代になり成立したはずの「白砂青松」が自然的な砂浜海岸の原風景として扱われるなど,海浜植生に対する社会の認識は低い。このシンポジウムでは,海浜植生の生態的特徴と危機の現状について特に海岸砂丘の植生を中心に紹介し,砂丘植生の生態的な意義や保全の必要性について考えていく。発表者の方々には海岸の植物群落に対する人為インパクト,海岸性植物の種としての希少性,保全にあたっての問題点,保全・再生の実践例について報告をいただく。生物多様性の観点も織り込みつつ,海岸の植生について特に砂浜や砂丘植生の保全目標について議論を進めるとともに,今後の研究および保全活動の方向性について議論を進める。
コメンテーター:石川 真一(群馬大・社会情報)
[S02-1] 趣旨説明:鳥取砂丘における植生保全の歴史的経過
[S02-2] 砂丘植生を取り巻く危機的状況とその要因
[S02-3] 海浜植物の分布傾向とレッドリスト記載状況
[S02-4] 都市近郊の利用形態を中心とした海岸植生の危機の現状
[S02-5] 海岸緑化の技術的手法について
[S02-6] 石狩浜における海浜植物保護の道のりと課題