| 要旨トップ | ESJ59 企画集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


企画集会 T11 -- 3月20日 15:00-17:00 B会場

藻類の群集構造と進化動態-理論と実証その2-

企画者: 工藤 栄(極地研), 田邊優貴子(東大), 水野晃子(国際水研), 吉山浩平(岐阜大), 佐々木顕(総研大)

藻類は原核・真核生物の両者を含む多様な光合成生物の総称で、いち早く地球上の水圏に出現し、その活動は地球環境を変え、現在の地表での生物活動を可能とした環境を創りだした生物群である。南極大陸には現在の間氷期に出現した氷河湖が多数ある。その一次遷移過程で湖底には、現在、藻類群集が大繁殖している。観測事例が増加するに従い、藻類群集は湖ごとに多様でユニークな「構造(かたち)」をとりながら光合成活動をしている実態が捉えられてきた。私たちは、この南極湖沼の藻類をテーマとし、湖中の光と藻類群集の応答現象との関係から、その群集構造の多様性に迫ろうとしているフィールド屋・実験屋・理論屋集団である。

本企画集会では、自然環境下での藻類群集構造の決定要因を湖中の光と藻類群集によって変質させられる群集内の光環境としてみたうえで、藻類群集構造の多様性、空間パターン形成のメカニズムの理解を目指した研究を紹介し、討論の場を提供する。

司会進行は工藤(極地研)が受け持ち、まず、南極湖沼と生態系の特色を紹介する。これに4人の演者、吉山による「藻類群集鉛直構造に関する近年の研究動向」、工藤による「南極湖沼の光環境の多様な実態」、佐々木・水野による「藻類群集の光応答に対する進化的安定化理論モデルからのアプローチ」2題の講演をおこなう。コメンテーターとして、今季、南極での観測活動を実施し終えてきたフィールド研究者としての立場からの田邊優貴子と理論モデル研究者として活躍している山道真人の二人の若手、そして会場からの意見を交えた討論を行いたい。

[T11-1] 水圏生態系の鉛直構造:観測、実験、理論研究例 吉山浩平(岐阜大)

[T11-2] 南極湖沼の光環境の多様性と藻類群集鉛直構造による光の変質の実態:観測データから *工藤 栄(極地研),田邊優貴子(東大)

[T11-3] 南極淡水湖の湖底藻類群集における光適応とその鉛直分布形成の数理モデル1 佐々木顕(総研大)

[T11-4] 南極淡水湖の湖底藻類群集における光適応とその鉛直分布形成の数理モデル2 水野晃子(国際水研)


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