| 要旨トップ | ESJ62 企画集会 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T01 -- 3月20日 9:00-11:00 A会場

モニタリングサイト1000の10年の成果から分かったこと~大規模長期生態系モニタリングの継続と取得データの活用を進めるためには~

企画者: 中山隆治(環境省自然環境局生物多様性センター),大規模長期生態学専門委員会

モニタリングサイト1000は、環境省生物多様性センターが平成15年度に開始した国内最大級の長期生態系モニタリング事業であり、わが国の代表的な生態系を長期的かつ定量的にモニタリングするとともに、成果を学術研究や保全施策に役立てることを目的としている。調査は研究者のみならず市民が主体となった調査も多いという特徴がある。得られた成果はウェブサイト(http://www.biodic.go.jp/moni1000/index.html)等を通じて広く公開しており、学術研究や生物多様性地域戦略策定等の行政施策への活用事例も少しずつ増えてきている。

モニ1000では5年毎に成果をまとめており、事業開始から10年が経過したことから、今年度、生態系毎のとりまとめ報告書を作成、公表した。各生態系の10年の調査成果からは、気候変動による影響や外来種の分布拡大等いくつかの変化傾向を把握できており、今後、愛知目標の進捗状況評価等様々な分野での活用が期待される。また、渡り鳥のデータを用いてラムサール条約湿地の登録基準を満たしたサイトを明らかにする等、行政施策への活用のためのとりまとめも行っており、これらの成果を基にした施策推進が期待される。さらに、東日本大震災による影響を受けた沿岸地域では、震災前後の変化を把握するための貴重なデータとして活用出来た。

本集会では、10年間の成果や活用事例を紹介するとともに、大規模長期生態学専門委員会の趣旨も踏まえ、今後の長期生態系モニタリングの進め方や得られたデータの活用について議論する。

司会:日浦勉(北大)、コメンテーター(予定):中静透(東北大)

[T01-1] モニタリングサイト1000の概要と調査成果の公開  佐藤直人(環境省自然環境局生物多様性センター)

[T01-2] 研究者が主体となった森林・草原調査で得られた成果とその学術利用  日高周(自然環境研究センター)

[T01-3] 市民と築き上げた里地調査の全国観測ネットワークとその成果  後藤なな(日本自然保護協会)

[T01-4] 行政施策における活用を目的としたガンカモ、シギチ調査の成果のとりまとめ  *植田睦之,神山和夫,守屋年史(バードリサーチ)

[T01-5] 沿岸域調査で検出された東日本大震災による突発的な変化  横井謙一(日本国際湿地保全連合)


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