| 要旨トップ | ESJ62 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
企画集会 T14 -- 3月22日 9:30-11:30 D会場
温暖化の影響が広く世界に顕在化しつつある。生態系では、温暖化によると考えられる、陸域、淡水及び海洋で生物種の分布域、季節変動、生息数等の変化が報告されている。さらに、今後も温暖化が進行した場合、一部の生態系や生物種では脆弱性が非常に高まると予測されており、その対策が急がれる。一方、社会は、温暖化の緩和と変化への適応に向けて動きつつある。たとえば、日本政府は、2015年夏頃を目処に温暖化適応計画の策定を目指している。このような背景から、生態系分野における、現状や知見を整理・統合し、温暖化に対してどう対処するかを今まさに考える必要がある。
本集会では、日本周辺の生態系に対する温暖化影響の検出及び予測について、沿岸生態系(藻場、サンゴ)、大型哺乳類(シカ)、植生、鳥類(ライチョウ)を対象とした最新の研究成果を講演頂く。さらに、講演の中では、解析の概要や将来予測につきまとう不確実性の取り扱いなど技術的な点、研究成果から想定される適応策についても紹介頂く予定である。その上で、参加者と研究の現状や課題を共有し、温暖化適応策へ向けた今後の展開についてコメンテータを交えて総合議論したい。
コメンテータ: 松田裕之(横浜国立大学)、肱岡靖明(国立環境研究所、IPCC AR5 WGⅡ Chapter 24 Asia /Corrdinating Lead Author)
司会: 中尾勝洋(森林総研)、高野宏平(東北大)
[T14-1] 温暖化による沿岸生態系への影響予測:藻場・サンゴ群集の分布域縮小と拡大
[T14-2] 気候変動と土地利用変化がニホンジカの分布拡大に及ぼす影響
[T14-3] 気候変動が東シベリア・カラマツ林帯に及ぼす変化の予測
[T14-4] 温暖化に伴う高山植生の分布変化がライチョウの分布に及ぼす影響を推定する