| 要旨トップ | ESJ62 企画集会 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T19 -- 3月22日 9:30-11:30 K会場

熱帯アジアにおける生物多様性保全と地域社会の相乗便益の可能性について-ミャンマー農山村地域を例に-

企画者: 奥田敏統 (広島大学・総合科学研究科), 山田俊弘 (広島大学・総合科学研究科)

途上国での森林減少抑止活動の実施にあたっては、「地域住民の便益」や「生物多様性」が損なわれないようにするための配慮が必要とのことから、例えば2020年以降実施予定のREDD +では両項目をセーフガードで取り組むべき課題として挙げている。また、熱帯地域での生物多様性保全に有効な手段として注目を集めているエコシステムアプローチにおいても地域社会・住民の便益確保は配慮すべき事項として組み込まれている。とはいえ自然資源への依存度が高い途上国の農村社会においては「地域住民への配慮」と「生物多様性保全」は拮抗する可能性もある。そのため両者の相乗関係の構築とその最適化を可能とする諸要因を抽出し、それらを用いた具体的なセーフガード基準・指標作りを行っておく必要がある。

 本企画集会では、近年森林減少・劣化が著しいミャンマーの農山村社会にスポットを当て、当該地域での土地利用変遷と森林破壊との関連性や、生物資源を利用しながらも二次林植生を維持しようとする農村社会の経済的な自律性などについて、これまでの研究事例を紹介しながら「生物多様性」と「地域住民」の相乗便益の可能性について探る。その上で両者のバランスを最適化できるような「基準・指標」の可能性についても議論する予定である。

司会:山田俊弘(広島大学・総合科学研究科)

総合討論:奥田敏統(広島大学・総合科学研究科)

[T19-1] 趣旨説明; 生物多様性セーフガード   奥田敏統 (広島大学・総合科学研究科)

[T19-2] 生物多様性保全と地域社会の相乗便益の可能性 -ミャンマー農山村地域を例に-  竹田晋也 (京都大学 ASAFAS)

[T19-3] 生物多様性の住民利用とそれが森林生態系及ぼす影響  山田俊弘 (広島大学・総合科学研究科)

[T19-4] 林業セクター・地域住民・生物多様性の厄介な関係:生物多様性便益の積極的な利用へ向けて  神崎護 (京都大学農学研究科)


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