| 要旨トップ | ESJ63 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
企画集会 T12 -- 3月22日 9:30-11:30 RoomF
現在、ネオニコチノイド系農薬が生物多様性に与える影響が世界的に懸念されている。ネオニコチノイド系農薬は、90年代から主力農薬として普及してきたクロロニコチル系殺虫剤の総称であり、国内外で広く普及している。
本系統剤の登場により、省力化など農業生産に大きく貢献する一方で、欧米を中心にミツバチ類への影響が問題視された。特に北米で話題となった蜂群崩壊症候群CCDの原因物質としてネオニコチノイド系農薬が疑われるようになった。また国内でも野生トンボ類の急激な減少が本系統剤の影響によるとする報告が相次いだ。
2013年、ヨーロッパ連合EUは、ネオニコチノイド系農薬3剤を含む農薬4剤について2年間の時限付きの使用禁止措置を決定した。この禁止措置を一つの契機として、日本においても生態学者はもちろん一般市民の間でもネオニコチノイド系農薬のリスクを懸念するとともに、その使用規制についての議論が急速に高まっている。
国立環境研究所では他研究機関と共同で、環境省環境研究総合推進費をはじめとするプロジェクト研究予算に基づき、ネオニコチノイド系農薬の生態リスク評価を進めている。本講演会では、これまでに得られた最新知見を紹介するとともに、国内外の情報と統合して、今後の農薬リスク管理の方向性について議論する。
コメンテーター:永井孝志(農業環境技術研究所)
[T12-1] 特別講演:ネオニコチノイド農薬によるハナバチ類への影響〜世界と日本の最新情報
[T12-2] ネオニコチノイド農薬の花粉を介したマルハナバチコロニー毒性
[T12-3] ネオニコチノイド農薬のニホンミツバチ生態リスク
[T12-4] ネオニコチノイド農薬の陸域昆虫類に対する影響評価
[T12-5] ネオニコチノイド農薬による水田生物多様性影響評価から見えたもの
[T12-6] ネオニコチノイド農薬規制の今後