| 要旨トップ | ESJ65 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
企画集会 T01 3月15日 9:00-11:00 C会場
観測技術や分子生物学的手法の革新、統合データベースの充実化、市民モニタリングネットワークの発達などによって、生態学分野で利用可能なデータは質・量ともに目覚ましい向上を遂げている。これらは、従来観測が困難であった対象の直接的な計測やデータ収集の労力・費用・規模などの劇的な改善を実現して、生態学研究を強く駆動するものと考えられる。一方、実証研究においてデータと両輪をなすものが統計的推測である。データ利用可能性の向上は、生態学の統計モデリングの発展にも大きく影響している。データの背景にある本質的な情報を抽出できるかどうかは、問題の定式化次第であるからだ。計算機性能や推定アルゴリズムの進歩とも相まって、統計モデル開発の機運はかつてないほど高まっていると言ってよいだろう。
本集会では、日本の生態学者によって提案された独創的な統計モデルを紹介する。どの統計モデルも生態学の重要な問題に切り込むものばかりである。なぜ生態学者が新たな統計手法を開発するのか?そもそも生態学者自身の手で統計手法を開発する必要はあるのだろうか?生態学と統計学の交点において生態学者が果たし得る役割と、そこで新しく拓けるかもしれない生態学の新展開について議論したい。
[T01-1] 企画主旨の説明:統計モデリングの新しさとは何か
[T01-2] 自動撮影カメラによる地上性動物の密度推定―個体識別を必要としない手法の開発と検証
[T01-3] 動物の行動プロセスを野外データと流体力学で理解する
[T01-4] 生態学的大規模データの統合によるマクロスケールでの種個体数分布推定
[T01-5] 経路データから海鳥のナビゲーション能力を明らかにする:バイオロギングにおける逆問題アプローチ