ESJ58 シンポジウム S07
3月10日 9:00-12:00 A 会場
企画者: 吉田丈人(東大・総合文化)
自然再生は、地域において失われつつある生物多様性や自然環境を、地域の多様な主体が科学的デ-タに基づく順応的な方法により取り戻すことだけでなく、生物多様性と密接に関連する地域の人々の営みをも再生するアプロ-チとして期待される。自然再生に対する科学の貢献は、もはや生態学だけではなく、広く自然科学や人文社会科学に求められている。
本シンポジウムでは、湖沼と湿地を対象とした自然再生について議論する。淡水生態系の生物多様性は、他のどの生態系よりも速い速度で失われつつあると言われる。一方で、富栄養化の問題など、長年にわたって未解決のままの問題も存在する。人間活動に起因する諸々の要因に対して生物多様性や生態系は反応し、改変された生態系サ-ビスが人間社会に影響を与える。国内のさまざまな湖沼や湿地において見られる生物多様性や生態系の変化と、それに対してどのような自然再生が検討・実施されるかについて紹介しながら、生態学の役割と他分野との協働について議論したい。
構成:
趣旨説明(吉田)
事例紹介(下記の5題)
コメント
三橋弘宗(兵庫県立大・自然研)
宮内泰介(北海道大・文学)
鷲谷いづみ(東京大・農学生命科学)
総合討論
[S07-1] 琵琶湖の農業濁水問題をときほぐす-文理連携による流域診断 谷内茂雄(京大・生態研)
[S07-2] 宍道湖・中海における自然再生の現状と課題 國井秀伸(島根大・汽水域研究センタ-)
[S07-3] 地域社会とのかかわりを繋ぐ湖沼の自然再生?釧路湿原湖沼と霞ヶ浦を例に 高村典子(国立環境研究所)
[S07-4] 福井県三方湖の自然再生を支援する総合的環境研究 吉田丈人(東京大・総合文化)
[S07-5] サロベツ湿原における湿原生態系解明研究の成果と自然再生 冨士田裕子(北大・FSC・植物園)