ESJ58 シンポジウム S08
3月10日 9:00-12:00 B 会場
企画者: 湯本貴和(総合地球環境学研究所)
日本列島は,他の「先進国」に比べ高い森林率や高い生物多様性を保持している。稠密な人口を擁するにもかかわらず,なぜ日本列島の生物多様性は失われなかったのか?縄文時代や江戸時代に「自然と人間の共生」の理想を求める言説は多い。この企画では、1)日本列島の生物多様性が高かった要因を主に地理的,気候的,地史的側面からの仮説を示し,2)列島各地の歴史から見出した生物資源利用とその管理の成功/失敗事例を紹介し,3)列島の生物多様性が維持された要因を整理した上で, 4)今後の「自然と人間の関係」をどうしていくのかを展望したい。世界の流れは、生物多様性のみを保全するのではなく,人間との関係性も含めて保全していくという方向に動きつつある。生態学と同じ「関係性」の学問である歴史学の視点に触れ,生物多様性と分かちがたく結びついている文化多様性について考えたい。
[S08-1] 趣旨説明 湯本貴和(地球研)
[S08-2] 気候変動と人間活動からみた日本列島の植生変化 高原光(京都府大・生命環境)
[S08-3] 野生動物と狩猟の歴史 梶光一(東京農工大・農)
[S08-4] 山村の歴史と生物資源利用 白水智(中央学院大・法)
[S08-5] 日本列島の生物多様性が維持されてきた要因 辻野亮(地球研)
[S08-6] 生物文化多様性の視点からの保全生態学 湯本貴和(地球研)