ESJ58 企画集会 T24
3月12日 9:30-11:30 I 会場
企画者: 早矢仕 有子(札幌大・法), 白木 彩子(東京農大・生物産業), 長谷川 理(エコ・ネットワ-ク)
北海道における風力発電設置基数は全国1位、設備容量で全国2位を占め(NEDO:2010年3月現在)、国が導入を推進している風力発電事業の主翼を担っている。しかし、既存施設においては絶滅危惧種オジロワシ等鳥類の衝突事故を重ねながらも有効な対策が実施されておらず、また、小樽市銭函地区の発電施設建設予定地では、「北海道自然環境保全指針(平成元年)」で「保全を図るべき自然地域」に指定されている石狩海岸植生の損失が懸念されるなど、生態系への悪影響が看過できない状況にある。陸地建設における問題を回避できる洋上風力発電施設は、我が国では初めて北海道瀬棚町に建設され稼働しているが、既に大規模洋上発電施設を持つ欧州からは、繁殖中の海鳥類や渡り途中の鳥類におよぼす影響が報告されており、今後、日本でも同様の問題発生が危惧される。
果たして、生態系損失を回避しつつ再生可能エネルギ-供給量を向上させることは可能なのか?あるいは、損失を伴う持続可能なエネルギ-導入に対して社会的合意を得ることはできるのだろうか?
本集会では、鳥類・植物・環境エネルギ-政策の各分野における専門家が知見を交え、共通認識の形成を目指す。
[T24-1] 風力発電施設が鳥類に与える影響(概論) 浦 達也(日本野鳥の会・自然保護室)
[T24-2] 風車衝突事故がオジロワシに与える影響 白木 彩子(東京農大・生物産業)
[T24-3] 洋上風力発電が鳥類にもたらす影響 風間 健太郎(名城大・農)
[T24-4] 銭函海岸の風力発電問題〜海岸植生の視点から 松島 肇(北大・院・農)
[T24-5] 鳥類等生態系保全と風力発電等再生可能エネルギ-との調和に向けて 飯田 哲也(環境エネルギ-政策研究所)