日本生態学会

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第17回(2013年) 生態学琵琶湖賞授賞講演要旨

大手 信人(東京大学大学院農学生命科学研究科)

「森の水循環が生態系のダイナミクスを支える」

 日本は森のくにです。樹木が自然に成長するくらい暖かく、モンスーンのおかげで十分に豊かな雨が降ります。雨で与えられた水は養分やエネルギーになる物質を運んで森のさまざまな部位を流れます。私のこれまでの仕事は、森の生態系のダイナミクスに水の流れやあり方がどのように影響を与えているかを調べることでした。また、森林から流れ出る水と物質は、森のどんな働きを反映しているのかも調べてきました。このなかでわかってきたこと、これから調べなければならないことをお話します。

中野 伸一(京都大学生態学研究センター)

「湖沼や海洋の微生物に夢を求めて」

 自然生態系が健全に働くには、細菌や原生動物などの微生物の役割が重要です。湖沼や海洋のプランクトン生態系では、植物プランクトンと動物プランクトンによる食物連鎖に加えて、微生物ループと呼ばれる微生物の食物連鎖が働いています。微生物ループは、単に湖沼や海洋の生態系の維持に必要であるだけでなく、私たちの生活にもさまざまに関わっています。今回の講演では、琵琶湖、愛媛県の宇和海などを例に、微生物ループがいかに我々人間にとって大切かについて紹介します。

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