日本生態学会

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会長からのメッセージ -その3-

「第59回日本生態学会大津大会」

 第59回日本生態学会大津大会は、おかげさまで2000人以上の参加者に恵まれました。昨年の札幌大会では、会期中に3.11東日本大震災に遭遇しました。成功裏に終えることができたことが、何よりありがたいことです。その裏方で、バスの増便、駅前の案内人、随所にある会場地図など、大変行き届いた対応をされた委員長の遊磨さんを始めとする大会実行委員会、並びに大会企画委員会の皆様のご尽力に感謝します。

  主催者から一つお詫びがあります。お渡しした書類の一部に誤植がありました。大会参加者(EAFES参加者を除く)に改めて今月中に書類が郵送されることと思います。

 今回の大会は、EAFESとの合同大会となり、日本語と英語での対応を迫られ、大会企画委員会の努力は度をこえていました。幸い、2日目午前中のEAFESのセッションはどれも盛況だったようです。EAFESとしての歓迎会、開会式、実行委員会、終了式典のすべての司会に加え、高校生ポスター賞授賞式の司会、駅でのEAFES要人出迎えまでしていただいた湯本貴和さんに特に感謝します。私はその場でEAFESのウェブサイトを充実させることを約束しました。中国韓国ともに、この10年近くの間に国際化が進みました。EAFESとして、アジアだけの交流ではなく、世界を目指すべきでしょう。INTECOLロンドン大会へのセッション提案を共同で行うことになりました。2年間会長を務められた韓国のKim Eun-Shikさんは、生態学会の高校生ポスター発表の盛況ぶりに大変感銘を受けていたようです。Kim会長をはじめ、EAFES大会運営に協力いただいたEAFES実行委員の方々に感謝します。

 21日にEAFES終了式典が行われ、回り持ちで、以後2年間のEAFES会長を日本生態学会長である私が務めることになります。2年ごとに大会を開くだけでなく、EAFESのウェブサイトを活用し、EAFES内部のさまざまな関連する活動にリンクを張り、相互交流を促すことを提案しました。ほどほどの努力でできることを考えて参りたいと思います。

 懇親会も舞妓さんを呼ぶなど盛況でした。上手な司会をされた中野さんを始め準備された方々に感謝します。

 今年は初日に行われた公開講演会は、300名以上の参加者に恵まれ、大盛況でした。講演もアンケートによれば大変評判がよく、本も美しい写真がちりばめられて魅力的でした。企画された陀安さん、話術に長けた講演者、本の編集を行った文一総合出版と参加者の方々に感謝します。

 龍谷大学には会場を提供いただいただけでなく、赤松学長自ら大会長を引き受けていただき、浄財までいただきました。EAFES開会式では副学長から、懇親会では学長自身から、大変丁寧なご挨拶をいただきました。この場を借りて龍谷大学に篤く感謝します。

 震災に関する学会としての活動について、何度か質問を受けました。東北大学のグループをはじめ、多くの方々が震災に様々な形でかかわっていることは、大津大会の場でも改めて知ることができました。学会組織としては要望書を出す以外、大きな取り組みはしておりません。すでにいくつかいただきましたが、皆さんからの提案を寄せていただければ幸いです。

 大会の英語化促進に関するアンケートを配りましたが、回収率が高く、関心が高いことがわかりました。いただいたご意見はこれから将来計画専門委員会が集計し、今後の大会に役立てさせていただきます。

 おかげさまで、ABC会員制度の見直しについては、全国委員会、総会ともに原案通り承認いただきました。実施するには会則改訂が必要で、早くて来年になります。当会は法人化の検討も進めており、その進捗も見ながら実施いたします。特に当会のC会員の方々にはご迷惑をおかけしますが、今後とも保全生態学研究の購読者または正会員となることをご検討いただければ幸いです。

 日本生態学会奨励賞の新設については、特に宮地賞との関係をめぐって全国委員会、総会ともに議論が百出し、残念ながら一つの案にまとまらず、全国委員会に対応を一任させていただくことになりました。結果として議論を尽くしていなかったことをお詫びします。改めて、「宮地賞」の権威と伝統が確立していることを実感しました。改めて執行部並びに全国委員会で議論を尽くします。

 1年後は静岡で開催します。すでに増澤武弘さんはじめ中部地区会と大会企画委員会を中心に準備が進められています。2000名が一堂に会する大会は当会の最大の価値の一つです。準備は大変ですが、長続きできる体制を整えて参りたいと思います。

 大津大会の記憶が、皆様の人生の新たな1頁となることを祈っています。

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