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企画集会 T20
農村における自然再生や保全は、今や危急の課題のように取り扱われだした。たしかに農村部における耕作生活者の激減、不在の状況にあっては、里地・里山の二次的的自然の維持管理の先行きは暗い。そこで絶滅種、絶滅の心配される種の保全や再生にあやかって、農村地域の再生に持っていこうとする計画が各地で進められている。そうRDB種は今や農村再生の切り札として、key-stone speciesあるいはアンブレラ種なのだと言わんばかりだ。しかしながら、本当に、トキ・コウノトリ、メダカ、タガメ、ゲンゴロウなどRDB種を保全したり再生すれば、生物多様性は回復するのだろうか?
まともな生態学者なら、そう単純で容易くないと考えるだろう。しかし、実際に現場に携わる研究者は、理論と環境整備をどう進めたらいいか、科学的な見解を求められている。そこで、論点は3つあるだろう。
(論点1)群集生態学の知見で考えてどうなのか?
(論点2)そもそも農村依存性の生物種、群集とは?
(論点3)そして思惑どおり、とくに僻地の疲弊し出した農村は再生でき る目途がつくのだろうか?
以上三つの論点について、この分野で現場で基礎研究を進めている有識者に講演いただき、群集生態学の視点から冷徹で熱い議論を行いたいと考えている。
コメント予定:松田裕之(横国大):最新の群集生態学の知見から
[T20-1] 農村生態系を再生するためのキーハビタットと指標種の抽出
[T20-2] 能登半島におけるトキ再生と里山の生物多様性保全
[T20-3] 水田農業依存性RDB種が残存する農村で起こった普通種激減