| 要旨トップ | ESJ56 企画集会 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


企画集会 T11 -- 3月18日17:30-19:30 N会場

北東アジアにおける放牧地生態系の再生と持続的利用に向けて:個体群から地域スケールまで

企画者: 大黒 俊哉(東京大・農), 吉原 佑(東京大・農)

中国内蒙古からモンゴルにかけて広がる北東アジアのステップ地域では、市場経済化の進展や畜産物に対する需要増加にともない、従来の放牧システムが変容し、草原の荒廃化や生物相の改変が急速に進行している。乾燥地での人間活動は、草原を主体とする生態系の提供する各種サービス(食料・家畜飼料の供給、土壌保全、水資源の供給等)に大きく依存している。したがって、草原の荒廃防止と持続的な生産活動を両立させるためには、生態系サービスの安定的な供給が可能となるような、生態系機能の再生と、それらの持続的管理が不可欠であり、放牧地生態系の持続的利用に向けた科学的知見の集積と統合が求められている。本集会では、植物の個体群スケールからリモートセンシングを用いた地域スケールまで様々な空間スケールからこの問題にアプローチしている若手研究者を中心に、持続的放牧地管理への応用を志向した実証的研究を紹介する。そして、得られた知見とその問題点等を議論し、現場へのフィードバックと今後の研究の方向性を模索していきたい。

なお、当企画集会の情報は、東京大学緑地創成学研究室HP(http://www.es.a.u-tokyo.ac.jp/lep/)で提供する。

[T11-1] 潅木ステップの機能を探る:潅木によるfacilitationのマルチスケール評価 吉原 佑(東京大・農)

[T11-2] 持続的牧畜経営にむけた大規模野外実験からみえてきたもの 進藤 和政(国際農林水産業研究センター)

[T11-3] 衛星リモートセンシングによる草地植生変動と土地劣化の把握 川村 健介(広島大・国際協力)

[T11-4] 生態学理論に支えられる生態学的基準:モンゴルの放牧地生態系の持続的管理に向けて 佐々木 雄大(東京大・農)

[T11-5] 牧民の意思決定とゲルの空間配置を考慮した持続的放牧地管理のためのマルチエージェントモデル 岡安 智生(東京大・農)


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