| 要旨トップ | ESJ58 企画集会 一覧 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


企画集会 T03 -- 3月8日 14:15-16:15 D 会場

Micro-evo-devo : 進化発生学と生態学の融合

企画者: 石川 麻乃(北海道大・環境), 森長 真一(東京大・総合文化)

生物は、彼らを取り巻く環境に適応し、多様な形態、行動、生理的形質を獲得してきた。では、これら適応的形質はどのような進化プロセスを経て獲得されるのか?これまで、発生生物学の観点から、進化の至近的メカニズムについて新たな知見を提供してきたのが進化発生学(Evo-devo)である。さらに近年の進化発生学は、生態学との癒合を果たし、異なる環境に適応した近縁な生物群(姉妹群や近縁集団)を比較することで、新たな適応的形質がどのように生じるのかという問いに答えようとしている。このような領域はマイクロ進化発生学(Micro-evo-devo)とも呼ばれ、多くはモデル生物とその近縁種を対象に行われてきた。しかし、分子生物学的・遺伝学的手法の発展に伴い、その研究対象は非モデル生物にも広がりつつある。また、形態に加えて生理や行動に関わる制御機構が比較され、より多様な適応進化の分子機構について新たな知見が提供されつつある。本集会では、近縁系統・集団間でこれら適応的形質の発生機構や制御ネットワークを比較し、適応進化の分子メカニズムに迫ろうと試みる若手研究者からその研究例を紹介し、今後の展望について議論する。

[T03-1] 裏しかない葉「単面葉」における平たい葉身の発生と進化 山口 貴大(基生研)

[T03-2] ショウジョウバエの暗所環境への適応のメカニズム 布施 直之(京都大・理)

[T03-3] アブラムシの繁殖多型とその喪失を担う内分泌基盤 石川 麻乃(北海道大・環境)

[T03-4] ハクサンハタザオからイブキハタザオへの標高適応を担う生理機能と分子基盤 永野 聡一郎(東北大・生命)

[T03-5] イトヨにおける内分泌シグナルの適応的進化 北野 潤(東北大・生命)


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