| 要旨トップ | ESJ60 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


シンポジウム S02 -- 3月6日 9:30-12:30 C会場

生態学的リスクからみた原発と再生可能エネルギー

企画者: 安渓遊地(山口県大・国際文化), 加藤 真(京大・地球環境)

原子力発電の生態的なリスクとそれにかわるものとしての再生可能エネルギーの可能性およびリスクについて、検討する。第1部では、福島第一原子力発電所の損壊で、環境に放出された大量の放射性物質の生物への影響を検討する。人間への影響は、心理的あるいは経済的影響と分離して見極めることが「ただちには」難しい面がある。しかし、動物に与えた生物学的影響を評価することは可能である。2種の昆虫を用いてその影響を迅速に検出した二つの実験・観察を紹介する。第2部は、数十年にわたって故郷の駿河湾の海の生物を見つめてきた立場から、原子力発電所ができてからの著しい生物相の変化について報告する。第3部は、わずか15年で、エネルギー自給率をゼロから70%に押し上げて,再生可能エネルギー普及の取り組みでEUのトップランナーのひとつとなった、スペイン北部のナバラ自治州でのフィールドワークから、政府と大企業主導の「自然にやさしい生活」が必ずしも生物多様性への十全な配慮をともなう者ではなかったことを指摘する。脱原発をかかげる飯田哲也氏や孫正義氏らと行動をともにする若き研究者からのコメントを求めたのち、フロアとの忌憚のない総合討論を行う。

全体司会:佐藤正典(鹿児島大・理)

1)福島第1原発の事故の生物への影響

2)原子力発電所の温排水の影響 

3)再生可能エネルギーの導入とその問題点

コメント:分山達也(自然エネルギー財団)ほか

総合討論、コーディネーター:安渓遊地(山口県大・国際文化)

[S02-1] ヤマトシジミにおける福島原発事故の生物学的影響 大瀧丈二(琉球大・理)

[S02-2] 福島県高放射線量地域のゴール形成アブラムシに多発する形態異常と遺伝的影響 秋元信一(北大・農)

[S02-3] 駿河湾の生物相:その変貌と浜岡原子力発電所 加藤 真(京大・地球環境)

[S02-4] 再生可能エネルギーの急速な発展と保全の課題: スペイン・ナバラ自治州の場合 安渓遊地(山口県大・国際文化)


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