| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T04 -- 3月6日 14:30-16:30 D会場
日本の農地では、ここ十数年間で耕作放棄が急増し、現在では全体の約1割を占めるまでとなった。耕作放棄地の増加は、農地の生産力低下、病害虫の増加等、食料生産への影響に加え、生物多様性への影響(under use crisis)など、様々な問題を包含している。しかし現時点では、耕作放棄が農業生態系に及ぼす影響を明らかにした研究自体が乏しく、放棄によりどのような変化が生じるのか、それらの変化に対する対策の選択肢などをまとめ上げた包括的な考え方は確立されていない。
本集会では、耕作放棄が生物多様性に及ぼす影響、食料生産へ及ぼす間接的な影響について、植物、昆虫、両生類、哺乳類といった幅広い分類群での実証例を紹介し、農業生態系における耕作放棄問題について、生態学的な視点から見た包括的な考え方を提示したい。さらには、農業生態系という人間活動に大きく影響を受けた生態系の管理について、地域固有の問題やニーズに即した方針を確立するための枠組みを提案したい。当日は、総合討論を長めに確保し、参加者の方々と多くの議論を行いたいと考えている。
総合討論:「耕作放棄地をどうするか?農地の生態系管理を考える」
コメンテーター:本田剛(山梨県総合農業技術センター)・中村太士(北大・農)
[T04-1] 半自然草原における植食性昆虫の減少メカニズムー放棄と圃場整備による影響ー
[T04-2] 景観がかえる耕作放棄の影響~カエルとゾウムシを例に~
[T04-3] イノシシの増加と耕作放棄地:その相互依存性の検証
[T04-4] 絶滅危惧植物への影響から耕作放棄地を仕分ける