| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


企画集会 T08 -- 3月16日 9:30-11:30 E会場

台風撹乱が森林生態系に及ぼす影響の統合的評価

企画者: 福澤加里部(北大・北方生物圏FSC), 戸田求(広島大院・生物圏)

台風などの撹乱は森林の物質生産や物質循環プロセスを変化させ、生態系の構造や機能に影響を及ぼすと考えられる。近年の地球規模での気候変動下において台風撹乱のリスクが高まる中、台風撹乱の影響を正しく評価することは、森林生態系を理解し、また森林を持続的に管理する上で重要である。例えば、台風撹乱直後には着葉量減少によって炭素吸収量が減少するだけでなく、翌年以降の物質生産が変化することが予想される。また土壌中の窒素動態など物質循環プロセスの変化や、植物形質の改変を通じた植食性昆虫などの生物の行動の変化を生じさせ、それらが再び植物にフィードバックする可能性もある。撹乱後に起こっている事象をさまざまな側面から理解し、情報を共有することは、撹乱に対する生態系応答の予測にもつながるであろう。しかし、これまで多くの場合、それぞれの研究は生態学の中において異なる分野の研究として個別に行われてきた。本企画では、ダケカンバ林における台風撹乱模倣実験の取り組みを紹介しながら、台風撹乱の影響を統合的に理解することをめざす。

プログラム構成

・趣旨説明

・話題提供

・総合討論

[T08-1] 台風撹乱が林内微気象と土壌炭素動態に及ぼす影響の観測結果と考察  戸田求(広島大院・生物圏)

[T08-2] 台風撹乱がリター供給を介して土壌窒素動態に及ぼす影響  *福澤加里部, 吉田俊也, 柴田英昭(北大・北方生物圏FSC)

[T08-3] 台風撹乱が葉形質の変化を介して被食に与える影響  中村誠宏(北大・北方生物圏FSC),田中幹展(北大院・環境)

[T08-4] 撹乱が生態系に与える影響のモデリングに向けて  横澤正幸(静岡大学・工)


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