| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
企画集会 T11 -- 3月16日 9:30-11:30 H会場
外来生物は、世界各地の生態系に深刻な問題をもたらしている一方で、進化生態学における優れた研究材料として注目されている。本来の生息地から離れた環境で新しい選択圧にさらされた外来生物は、どのように侵入・定着・分布拡大に成功していくのか。その背景には様々な生態学的・進化学的過程がある。それらに着目することで、多様な進化的現象を、自然環境下における広大なスケールで、リアルタイムで観察・定量化し、解明していくことができる。
本企画集会では様々な切り口から外来生物の進化過程に迫った研究を紹介する。外来生物は侵入地で遺伝構造の変化や表現型変異を伴いながら(米倉)、出会う生物と相互作用し(深野)、環境に適応し(松橋)、時には在来生物の進化を引き起こす(千葉)。これらの研究から得られた知見は、外来生物以外においても適用していくことができる。本集会では、これらの進化学的研究の成果をまとめると同時に、その一般性と発展性について探っていく。さらに、そのような成果が外来生物の防除や管理などの応用的な研究にどのように貢献できるのかについても検討し、外来生物の進化生態学の今後の展望について議論していきたい。
コメンテーター:西廣淳(東邦大・理)
[T11-1] 外来植物の環境適応:侵入系統を利用した解析による適応形質と環境要因の探索
[T11-2] 餌利用と水温環境に対する外来生物の進化反応
[T11-3] スケールを変えて見た在来種の外来種への応答
[T11-4] 侵入昆虫の食草転換の進化プロセスとその応用的意義