| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


企画集会 T15 -- 3月16日 18:00-20:00 D会場

生態学における高等植物の道管流の計測技術と研究展開:とくに師管流との関係について

企画者: 種子田春彦(東大院・理), 小林 剛(香大・農)

高等植物の体内で輸送されている水,栄養塩および代謝産物の動態の理解は,植物の生育またはストレス状態の把握に役立つだけでなく,植物生産の管理や環境動態の解析などにおいても重要である。それらの輸送速度やコンダクタンスの計測・解析テクニックは,様々な分野で多岐にわたって活用されている。また,植物の振る舞いの至近要因の解析や,生態系における物質循環や大規模現象の機構解明および予測には,分野を越えた横断的な取り組みが実施されている。

しかし,それぞれの取り組みで生じている問題点を整理したり,異分野で発達したテクニックを生態学に取り入れるための議論の場は少ない。諸分野の情報を共有し統合的な取り組みを検討することで,新たな研究対象の創設や,計測項目・解像度の制限,スケーリングの煩雑さなどを打破することが期待できる。

本集会では,諸分野における従来の水分生理の計測・観測テクニックを整理するとともに,問題点や課題を挙げる。また,水輸送と栄養塩・光合成産物の輸送・代謝との関係に基づいた,植物の生育状態や生態系機能の評価の仕方について,最新の現状を紹介していただく。そして,とくに道管流測定の解像度の向上と師管流の評価・解析テクニックによって,ブレイクスルーが期待される課題や新たな概念について議論する。

コメント

水と炭素の交差点としての葉 —CO2拡散コンダクタンスについて— 溝上祐介(東大・理)

師部輸送モデルをもとに植物システムを考える 佐竹暁子(北大院・地環研)

[T15-1] 根,茎,葉の水の流れやすさを測る —測定手法とそこからわかること—  種子田春彦(東大院・理)

[T15-2] 個体・生態系レベルでの水・炭素の流れの評価手法  松本一穂(琉大・農)

[T15-3] 細胞水分状態・代謝物計測と道管流・師管流との関連  野並 浩(愛大・農)

[T15-4] MEMS技術を用いた超小型維管束(道管流・師管流)モニタリングセンサの研究  下川房男(香大・工),*小林 剛(香大・農)


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