| 要旨トップ | ESJ64 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
企画集会 T14 3月18日 9:30-11:30 H会場
人口学的特徴、すなわち、種の繁栄度(豊富さや持続性、分布の広さ)や個体群の動態(増殖率や安定性、環境収容力)には、系統(種あるいは個体群)間で差異があることは疑いようのない事実である。しかし、そのパターンを説明できるような一般則はない。とはいえ、このような差異は、系統内で生じる確率的浮動や自然選択など小進化の結果として生じたと考えるのが自然である。ただし、個体や遺伝子には各系統の存続性を高めることにダーウィニズム的な意味での関心がないので、各系統の人口学的特徴は小進化の「副産物」として系統にとっての利害とは関係なく成立すると捉えることができる。本集会では、生物の適応進化や確率的進化が、様々な時間スケールで直接あるいは進化可能性の変化を通じて間接的に系統の人口学的特徴や群集構造に影響することを検証した研究を紹介する。実験室実験系やフィールドワーク、種間比較、ゲノム比較を用いたこれらの研究を通じ、生態的・進化的インパクトの大きな形質の進化に着目し、人口学的特徴の系統間変異を解釈することの可能性や重要性を検討する。さらに、系統選択や系統ソーティングを介した系統進化パターンとの繋がりも議論したい。
[T14-1] 性と個体群と群集:環境と相互作用種の移行期における生物の動態と進化
[T14-2] 繁栄度を決める鍵形質としての種内多様性
[T14-3] ゲノム情報で測る環境適応力