| 要旨トップ | ESJ66 自由集会 一覧 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract

自由集会 W06  3月15日 17:00-18:30 Room I

外来種アライグマによる在来生態系への影響とその対策
The negative impacts on native ecosystem caused by invasive alien raccoon and its measure

加賀山翔一（東邦大学大学院　理学研究科）, 廣瀬未来（東邦大学大学院　理学研究科）, 栗山武夫（兵庫県立大学　自然・環境科学研究所）
Shawichi Kagayama（Toho Univ.）, Miki Hirose（Toho Univ.）, Takeo Kuriyama（Univ. of Hyogo）

特定外来生物アライグマは2006年度から2017年度までに分布域を約3倍に拡大した。分布定着した各地で農業被害、人的被害や在来生物への影響が急激に増加し、その対策が求められている。これまでに、農業被害の軽減を目的とした対策が主に進められてきた一方で、在来生物の保全を目的としたアライグマ防除はほとんど進められていない。これは、アライグマによる在来生物への影響を明らかにした報告が小スケールでの単一の個体群を対象とした捕食例報告などにとどまり、複数の個体群を含む広域スケールで在来生態系に与える影響を定量的に評価した研究が不十分であったためである。そこで本集会では捕食による負の影響が懸念される両生類、爬虫類や鳥類などの様々な分類群をモデルに、様々なアライグマの生息密度や在年数と、周辺の環境を含んだ広域スケールを対象に、影響を評価した研究を紹介する。また、より効率的な捕獲を実現するために、アライグマの行動から利用環境の特定を行った研究事例と、侵入初期のシグナルや密度指標としての爪痕や足跡の可能性の検討も行いたい。最後に、外来種防除による在来生態系の回復をテーマにした研究に取り組んでいる亘悠哉氏（森林総合研究所）をコメンテーターとして招き、外来種防除による在来生態系の回復を目指した保全対策の現状や、現在残されている課題などに関する議論を行う予定である。

[W06-1]
アライグマが在来カメ類に与える影響評価 : 河川改修と外来カメ類の影響を考慮して 加賀山翔一（東邦大学）
Impact of invasive raccoon on native freshwater turtle : Using path analysis considering the effects caused by river alteration and alien turtles Shawichi Kagayama（Toho Univ.）

[W06-2]
農地周辺の景観を考慮したアライグマによる広域的な両生類個体群への影響評価 栗山武夫（兵庫県立大学）
Impact of invasive raccoon on native amphibian population in agricultural landscape Takeo Kuriyama（Univ. of Hyogo）

[W06-3]
アライグマの捕食圧がホオジロに与える影響 : 生息適地と現在の分布から見えたこと 長谷川雅美（東邦大学）
Impact of alien raccoon predation on Meadow Bunting Masami Hasegawa（Toho Univ.）

[W06-4]
アライグマの生息適地予測と密度の代替指標としてのフィールドサインの検討 廣瀬未来（東邦大学）
Habitat suitability prediction of raccoons and examination of animal tracks as the proxy index of the density Miki Hirose（Toho Univ.）

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