| 要旨トップ | ESJ68 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
自由集会 W05 3月17日 17:30-19:00 Room G
開発行為、産業・社会構造の変化によるアンダーユーズ、そして近年では獣害など、自然環境は社会情勢を反映した様々な影響を受け、それが時に生態系に不可逆的な変化を引き起こすこともある。加えて今後は温暖化、それに伴う自然災害の増加、窒素降下などの環境変化も懸念され、自然環境の変化が進行し、人間社会へも多大な影響を及ぼすであろう。自然環境をこれからどのように持続的に保全・管理・利用していくかは、持続的な社会をどのように構築していくのかと表裏一体の課題である。そのため、SDGsの達成や環境問題の課題解決を目指すFuture Earthにおいても、研究者と多様な主体(市民、産業界、行政など)との協働が重要視されており、超学際研究として進められている。
発表者らは、京都府南丹市にある京都大学芦生研究林や美山町地域において、地域住民と研究者との協働取組を2018年から続けている。芦生研究林の生物多様性保全と並行して、過疎高齢化が進む周辺集落では伝統知の継承、次世代の育成、生業創出といった重層的課題があり、解決に向けて研究者と地域の協働が求められている。
本自由集会では、芦生研究林や美山町での新しい地域と研究者の協働取組の事例、特に(1)伝統知と科学知に基づく持続的資源利用、(2)エコツアーガイドとの協働研究の成果、(3)地域と研究者との対話の場作りを紹介し、その上でSDGsや地域循環共生圏など社会の動向に合わせた今後の自然再生や、地域課題の同時解決に向けた研究者と地域社会との協働について、その展望や課題を参加者と議論する。
[W05-1]
トチノキをめぐる対立から地域知と科学知に基づく持続的利用へ
Overcoming conflicts towards sustainable use of horse chestnut based on local and scientific knowledge
[W05-2]
エコツアーガイドとの協働による生物多様性調査の成果
Outcome from collaborative research with ecotour guide.
[W05-3]
地域住民と研究者の協働に向けた対話の場づくり:美山ソサエティ(仮)の試み
Designing a platform for collaboration between local stakeholders and scientists: Establishing the Miyama Society.