| 要旨トップ | ESJ69 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
シンポジウム S23 3月19日 9:00-12:00 Room D, 現地開催/ライブ配信あり/見逃し配信対応
菌類は、なんとなく「多様性が高い」「どこにでもいる」「いろんな生物と関わっている」というイメージを抱かれることが多い。しかし、菌類は本体である菌糸は肉眼で観察できず、繁殖器官である子実体(きのこ)は短命で発生予測が困難といった特徴から、多様性、分布、相互作用といった生態の大部分が謎に包まれている。
近年、DNAを始めとする解析技術の発展や、データベースの普及、粘り強い観察の積み重ねによって、菌類の多様性や相互作用に関するデータが他の生物と比較可能な設定で得られるようになり始めた。これにより、菌類の生態的特徴を他の生物と比較し、菌類と他の生物との共通点や相違点、動植物を対象に培われた理論を適用することの課題を議論することができるようになった。
本集会では、菌類の多様性・分布・相互作用にまつわる先端的な研究事例の紹介を通じ、やっと見え始めた「菌類らしさ」の整理を試みることで、菌類多様性・生態学研究の面白さ、新たな方向性、そしてそれらが進化適応、相互作用、分散戦略といった生態学のアイデアにどう還元されうるのかを考えるきっかけとする。
きのこ好きはもちろん、菌類についてこの機会に勉強してみたいという方の来聴と意見を歓迎します!
[1] 菌類多様性の空間・時間パターン :松岡俊将 (兵庫県立大)
[2] 菌根菌の宿主と分布の関係 :杉山賢子 (京都大)
[3] きのこをめぐる生物間相互作用 :都野展子 (金沢大)、[3]の要旨登録はないです。
コメンテーター:土居秀幸 (兵庫県立大)
[S23-1]
環境DNAから探る菌類多様性の空間・時間パターン
Spatial and temporal patterns of fungal diversity explored using environmental DNA
[S23-2]
外生菌根菌の定着・分布を探る -宿主樹木の影響に着目して-
Distribution of ectomycorrhizal fungi in relation to the host tree effects