| 要旨トップ | ESJ69 自由集会 一覧 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


自由集会 W09  3月17日 18:30-20:00 Room C, 現地開催/ライブ配信あり/見逃し配信対応

ストレス社会に生きる植物の生存戦略:環境ストレス耐性・被食防御・ゲノムの安定性
Mechanisms and functions of plants to survive under stresses: the resistance and the defense against biotic and abiotic stresses and mutations

青柳優太(九州大学)
Yuta AOYAGI(Kyushu Univ.)

生物は日常的に様々なストレスを受け、そのストレスに対応しながら生きている。植物が受けるストレスには、高温/低温ストレス・強光ストレス・重金属ストレスなどの非生物的なストレスの他、植食者からの食害・ウイルスなどの病原体の感染などの生物的ストレスがある。そうしたストレスは植物の成長や繁殖に対して直接的に悪影響を及ぼすだけでなく、変異の原因となるDNA損傷を引き起こしてゲノムの安定性に悪影響を及ぼすこともある。様々なストレスを受けながらも、多年性の草本や樹木は何年もの間生存を維持することができている。では、どのようにして植物たちは様々なストレスを受ける中で長期間生存を維持しているのだろうか。様々なストレスへ対応するために、どのようなしくみが進化してきたのだろうか。植物が受けるストレスには様々な種類があり、それに対応するしくみも多様なものが進化してきた。従って、植物がどのようにして様々なストレスに対応して生存を維持しているのかを理解するためには、様々な着眼点・研究対象・研究アプローチの研究から得られた知見を総合して議論する必要がある。そこで本集会では、植物の重金属ストレス耐性、食害に対する防御、様々なストレスにより引き起こされるDNA損傷の修復、といった異なる視点からの研究を紹介し議論することで、ストレスに負けずに生きる植物たちの生存戦略について理解を深めていきたい。

[W09-1]
鉱山跡地に自生するアオキと内生菌Pezicula ericaeの機能 *土山紘平(筑波大学), 山路恵子(筑波大学), 春間俊克(北海道大学)
Aucuba japonica Naturally Growing at a Mine Site and the Functions of Root Endophyte, Pezicula ericae *Kouhei DOYAMA(Univ. of Tsukuba), Keiko YAMAJI(Univ. of Tsukuba), Toshikatsu HARUMA(Hokkaido Univ.)

[W09-2]
おいしいお花を探せ!〜植物と花食者の化学物質を介した関係〜 *小黒芳生(森林総研), 小野寺洋史(東北大), 若林加枝(東北大), 中野沙耶(東北大), 板垣智之(東北大), 酒井聡樹(東北大)
Relationships between floral chemical traits and florivory *Michio OGURO(FFPRI), Hirofumi ONODERA(Tohoku Univ.), Kae WAKABAYASHI(Tohoku Univ.), Saya NAKANO(Tohoku Univ.), Tomoyuki ITAGAKI(Tohoku Univ.), Satoki SAKAI(Tohoku Univ.)

[W09-3]
植物のゲノムを長期間守るしくみ:DNA修復・エピジェネティック制御遺伝子数の進化 *青柳優太, 楠見淳子, 佐竹暁子(九州大学)
Long-term genome stability in plants: copy number variations of DNA repair genes and epigenetic regulation genes in plant species *Yuta AOYAGI, Junko KUSUMI, Akiko SATAKE(kyushu Univ.)

[W09-4]
長寿命植物Shorea laevisの体細胞突然変異の蓄積パターンについて *今井亮介(九州大学・理), 佐々木江理子(九州大学・理), 笠原雅弘(東京大・理), 藤野健(東京大・理), 谷尚樹(JIRCAS), 佐竹暁子(九州大学・理)
Somatic mutation accumulation pattern of long-lived plant Shorea laevis *Ryosuke IMAI(Kyushu Univ.), Eriko SASAKI(Kyushu Univ.), Masahiro KASAHARA(Tokyo Univ.), Ken FUJINO(Tokyo Univ.), Naoki TANI(JIRCAS), Akiko SATAKE(Kyushu Univ.)


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