| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


自由集会 W28  3月18日 16:00-17:30 Room G

トラッキングを生態学研究へ活かす試み【O】
Attempts to Utilize Tracking in Ecological Research【O】

伊藤真(四天王寺大学)
Makoto M. ITOH(Shitennoji Univ.)

近年のコンピュータ技術の急速な発展により、様々な研究分野にAIなど先端技術の活用が広がっており、生態学もその例外ではない。特に、ビデオ映像中の動物の位置を検出・追跡するトラッキング技術は飛躍的な進化を遂げ、多様なソフトウェアが開発・リリースされている。カメラの性能向上やドローン撮影技術の登場とも相まって、トラッキング技術の需要は高まる一方である。しかしながらトラッキングに興味を持った生態学者が直面する最初の壁は「どのソフトウェアを選べばよいか分からない」「何から勉強を始めればよいか分からない」ということである。ソフトウェアごとに操作・導入難度が大幅に異なり、また映像による得意不得意も存在する関係上、自身の研究対象や研究目的に合わせて適切なソフトウェアを選ぶ必要があるのだが、初心者にはまず不可能である。例えばpythonを導入しプログラミングを学ぶところから始めないといけないものもあり、適切なソフトウェアを選択できるかは研究の能率を大きく左右する。トラッキングソフトウェア同士を比較し体系的にまとめた情報はほとんどなく、また多くの研究者は自身が学んだソフトウェアを使い続けるため、仮に経験者から助言をもらえる環境であったとしても、その経験者が使用しているソフトウェアが自身の研究には合わず無駄骨になることも起こりうる。本集会ではまずトラッキングを扱う上で必須となる知識を押さえてから、近年話題の各ソフトウェアを用いた研究の紹介を通してそのソフトウェアの特性を学ぶことで、初心者がトラッキングソフトウェアを選び、自身の研究に活用する一助となることを目的としている。さらに、参加者同士で横のつながりを作ることで、疑問を質問し合える研究者コミュニティの形成を目指している。

[W28-1]
非深層学習トラッキングの利点と使いどころ *伊藤真(四天王寺大学)
Advantages and Applications of Non-Deep Learning Tracking *Makoto M. ITOH(Shitennoji Univ.)

[W28-2]
Deeplabcutを用いた頭部固定マウスのトラッキングとモデル化 *上岡雄太郎(東京大学)
Tracking and Modeling of Head-Fixed Mice Using DeepLabCut *Yutaro UEOKA(The University of Tokyo)

[W28-3]
SLEAPを用いた野生化ウマのトラッキング *前田玉青(総合研究大学院大学)
Tracking Feral Horses Using SLEAP *Tamao MAEDA(SOKENDAI)

[W28-4]
物体認識を用いた動物の行動イベント検出とリアルタイム介入操作の実現 *山ノ内勇斗(名古屋大学), 竹内遼介(名古屋大学), 千葉直也(東北大学), 橋本浩一(東北大学), 清水貴史(名古屋大学), 田中良弥(名古屋大学), 上川内あづさ(名古屋大学)
Realization of animal behavior detection and real-time intervention using object detection *Hayato M. YAMANOUCHI(Nagoya Univ.), Ryosuke F. TAKEUCHI(Nagoya Univ.), Naoya CHIBA(Tohoku Univ.), Koichi HASHIMOTO(Tohoku Univ.), Takashi SHIMIZU(Nagoya Univ.), Ryoya TANAKA(Nagoya Univ.), AZUSA KAMIKOUCHI(Nagoya Univ.)


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