日本生態学会

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会長からのメッセージ -その12-

「日本生態学会奨励賞(鈴木賞)」

 今年度から、宮地賞より若い世代、学位取得後概ね4年程度までの方のための「日本生態学会奨励賞(鈴木賞)」が新設されました。若くして亡くなられた佐賀大学の鈴木信彦さんのご遺族からいただいた寄付金を基金とし、奨励賞は学位取得時の研究成果とその発展を評価する賞です。

 賞の数が増えるたびに、学会賞選考委員会の負担は増え続けます。特に最初の賞の選考は悩ましかったことでしょう。粕谷委員長始め、選考委員会のかたがた、本当にご苦労様でした。審査委員会からの申し送り事項をいただいてから、改善できる点をこちらでも検討させていただきます。

 今回の受賞者について、「奨励賞の敷居が少し高くなってしまい、宮地賞との差別化が難しくなった」かもしれないというご意見をいただきました。学位論文の時点で、その分野を極めた最先端の研究をしていることは不思議なことではありません。被引用件数が増えるにはそれなりに年月がかかるでしょうが、輝かしい論文を世に出すことは若い人でも可能なはずです。結果として敷居が高くなったとしても、それは応募者(当選者だけとは限らないでしょう)の研究水準が高かったということであり、大いに喜ばしいことと私は思います。

 毎年、そのようになるかどうかは、まだわかりません。初年度は約4年分の潜在的候補者が応募されたという見方もできます。あるいは、さらに優れた方が応募されるかもしれません。今年選に漏れた方、今年の受賞者よりは自己評価で見劣りすると思われる方も、遠慮なく応募してください。奨励賞については、今年の方の実績と比較して「該当者なし」という判断は下さないと思います。粕谷委員長始め、審査委員の方々にはご苦労をおかけしますが、審査体制の検討を図りつつ、よろしくお願い申し上げます。

 以前のメッセージでも申しましたが、学会賞は、授章者を出し続けることで性格が形作られてくるものだと思います。できるだけ多くの方が応募され、こちらが思い描く以外の方も含めて、顕彰制度のあり方を考えさせていただきます。

 これも以前のメッセージでも申しましたが、奨励賞受賞者はさらに宮地賞を目指していただいてよいと思います。

 応募者のかたがたにお礼申し上げるとともに、受賞者の方々にお祝いを申し上げます。

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