会長からのメッセージ -その1-
「ご挨拶」
新年,あけまして おめでとうございます
北海道大学の齊藤 隆です.松田裕之前会長の後を受けて,本年1月より2年間学会長を務めます.陶山佳久さんには引き続き幹事長を務めていただき,可知直毅次期会長に石田清庶務幹事,牧野能士会計幹事を加えた5名で第17期の執行部をつくり,学会の運営に努力してまいりますので,よろしくお願いします.
さて,日本生態学会は本 年度から一般社団法人として生まれ変わります.これまでの任意団体は3月の広島大会で解散し,すべての事務は一般社団法人に引き継がれます.「なぜ 法人になるのか?」については矢原徹一会長(当時)が丁寧に説明されていますので,ここでは「法人になって何が変わるのか」について少し説明します.
率直にいって,会員の皆さんには「何が変わったのかわからない」という感想をもっていただければ,法人化は成功したと思っています.松田前会長がお約束したように「現在の体制をできる限り踏襲する」ことを目標に法人化を進めてまいりました.法人になると社会的責任や順法性がこれまでよりも強く求められ,ややもすると「お行儀の良い団体になる」と思われがちですが,闊達で伸びやかな生態学会の雰囲気は失ってはなりません.創造には自由が不可欠だからです.
とはいっても,変わらなければならないことは,やはりあります.もっとも注意していただきたいことは総会の持ち方です.広島大会からは,代議員によって構成される社員総会と会員全員が参加できる会員総会の2種類の総会が開かれます.法人としての公式の議決機関は社員総会ですので,一般会員の意志が反映されにくい仕組みになってしまうと懸念される方もおられるかもしれません.しかし,一般会員の意見を代議員が聞く機会を設けることによってこの問題に対処したいと考えています.制度の具体的な内容は広島大会で説明します.
これまで,生態学会は大変風通しのよい組織で,全国委員会で承認された執行部提案が総会で覆され,再審議されることが時々ありました.このようなことは,執行部としては歓迎しにくいものですが,会員が自由に意見を述べ,それが学会の運営に反映されてきた歴史は大切にしたいと思います.科学を発展させるために批判精神は不可欠です.
2月に理事会が開かれます.理事会はこれまでの常任委員会と似た役割を持つ役員会です.また,これまでの全国委員会は代議員会=社員総会に代わりますが,主な役割は踏襲されます.学会の運営についてご意見,ご要望があれば,どんなことでもご意見をお寄せください.検討させていただきます.これから2年間,どうぞよろしくお願いします.
2014年1月7日 会長 齊藤 隆