日本生態学会

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会長からのメッセージ -その10-

会長退任のごあいさつ

 まず3月16日深夜に東北地方を襲った地震で被害に遭われた方々に、こころよりお見舞いを申し上げます。

 その数時間前に終わった日本生態学会の通常総会で、わたしの2年間の会長任期が終了しました。みなさまにはたいへんお世話になりました。

 わたしが会長に就任した名古屋大会は、直前にキャンセルというまさに緊急事態で、まだオンラインがいまほど普及していないなか、新理事会が発足したのを思い出しました。結局、岡山大会、福岡大会も全面オンラインとなり、多くの会員のみなさまには、大会で直接、顔を見せることなく、会長職を終えることになりました。まさに新型コロナウイルス感染症に終始した会長任期だったといえます。

 地球温暖化や生物多様性喪失、それに加えて新興感染症問題や大災害、戦争など、わたしたちを取り巻く情勢は刻々と変化しており、決して明るい未来を描くことが難しい時代となりました。そのなかで世の中のさまざまな判断の基礎となるエビデンスをあげていく科学の役割が、いまほど重要な時代もかつてありませんでした。とくにSDGsに挙げられているような複数の課題の矛盾を克服しながら、同時解決を図らなければならない難しい判断が要求されています。そのなかで環境問題に直結することも多い日本生態学会の役割はいやがうえにも高まっているといえるでしょう。

 会員のみなさまには、ますますのご活躍を祈念しております。

 英文ジャーナルのOA化や大会の大変革など、いくつかの最重要課題を宮下新会長と新しい理事会に先送りすることになりました。新執行部が、会員にとってますます有益な学会となるような解決を見出していただけるものと確信しております。

湯本貴和
2022年3月18日

ESJ69

オンライン大会でしたが、東京にお集まりいただいて、総会にご参加いただいた理事のみなさまと、2年間はわたって会長職を支えていただいた執行部のみなさま。これまでありがとうございました。