会長からのメッセージ -その4-
「研究成果をメディアへ報道する際のお願い」
皆さんご存じの通り、研究成果はアカデミアのなかだけでなく、世の中に積極的に発信していく必要があります。公的資金で援助された研究であれば、なおさら必要でしょう。その有力な手段がメディア報道です。
近年は学術論文を評価するうえで、インパクトファクターや被引用回数といったアカデミア内での指標だけでなく、社会的な注目度を加味したオルトメトリクス(altmetrics)という指標が用いられるようになっています。メディア報道はその重要な手段ですが、これまで研究成果の根拠となる出典が記されることはほとんどありませんでした。出典は、読者が報道の詳細や背景を知るうえで有用ですが、研究者にとっても、オルトメトリクスの重要な根拠となります。
こうした現状をうけ、この度、生物科学学会連合から「報道機関関係者の方々へのお願い」を提出しました。同時に、加盟学協会へは、プレスリリースの際には、メディアに出典を明記していただけるよう、学会員に周知する依頼文が送られています。知り合いの某新聞社のデスクに問い合わせたところ、doiなどを含むURLを記載した記事は、過去にも稀ながらあり、記載を習慣化することは可能だろうとの見解でした。研究者が直接コンタクトするのは記者であり、最終的な決定権のあるデスクではありませんが、研究者サイドから出典の記載をお願いすることが有効であることは間違いありません。
何卒ご協力をいただければ幸いです。
2023年2月10日 会長 宮下 直