日本生態学会

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会長からのメッセージ -その1-

「ご挨拶」

 日本生態学会の会員の皆様、日本生態学会に興味を持ってくださっているみなさま。2024年3月の理事会から会長を務めさせていただいている、北島薫です。宮下直前会長の元で二年副会長として見習い期間の後、事務局や執行部の皆様のサポートのもと、会長業務をなんとかこなしてます。日本生態学会では、多くの会員の皆様がとても積極的に大会運営や各種委員会を通しての活動に取り組んでくださってます。この学会における、しっかりした協働作業の枠組みと自由に意見を言える雰囲気、国際化も含めての最新の学問を志す意気込みや若手育成や多様性の確保への真摯な取り組みなど、既に就任してから8ヶ月近くになりますが、改めて感銘を受けてます。これまで学会運営に貢献してきた皆様、これから取り組んでみたい皆様、ぜひよろしくお願いします。理事会、代議員会、学術誌編集委員会、大会企画委員会、様々なテーマ別委員会のメンバーは学会組織のページをご覧ください。

 さて、学会組織のページの一番下に、歴代会長のお名前が載ってます。日本生態学会設立以来、2年を1期として数え、2024年3月-2026年3月は第22期です。私は23人目の会長ですが、女性の会長は、第12期(2004~2006)の鷲谷いづみ会長以来の20年ぶりの2人目です。学術の世界でも世間一般でも、女性の割合が上位職ほど減少する事は世界共通ですが、女性の登用状況は世界の他の国と比べて日本は10-20年遅れているといえます。男女共同参画を達成するためには、女性リーダーが増えていく過渡期においては数少ない女性に同年代同業績の男性よりも多くの仕事が回ってきます。2013年まで29年間アメリカを拠点に仕事をしてきた私ですが、私の先生たちの時(1970-1980年代)には本当に仕事一筋でワークライフバランスなど横にのけて女性研究者が頑張ってきた、という歴史がありました。このような過渡期が、日本では20年後の今も続いている気がします。私自身が日本に拠点を戻してから10年以上経ってますので、もう「うらしま花子」を自称するわけにもいきません。それでも、日本において「男女共同参画 = 子育て支援」、というような雰囲気があるのには違和感を否めません。色々な生き方があっていいし、家族状況にかかわらず女性がきちんと評価されて登用されるべき、また、男女にかかわらずワークライフバランスへの配慮があるべき、と思います。宮下前会長のリーダーシップの元、キャリア支援専門委員会が中心に準備した ダイバーシティ推進宣言 が今年の3月に承認されました。これに伴って、活動方針においても、ダイバーシティとインクルージョンがより明記されました。昨年、2023年10月には、日本生態学会が担当で、男女共同参画学協会連絡会のシンポジウム が開かれました。こちらの連絡会は各自の持つ無意識のバイアスの可能性にも留意することの重要性について、色々と良い活動をされてます。

 残り1年半を切ってしまった私の会長の任期ですが、ダイバーシティや国際化などに取り組んでいきたいと思います。「みんなで一緒に」というSDGs 17の趣旨にも則って、日本生態学会がより良いものに成長し続けますよう、会員の皆様、ぜひよろしくお願いします。

2024年12月9日 会長 北島 薫

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