| 要旨トップ | ESJ56 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
シンポジウム S09 -- 3月19日9:15-12:15 A会場
個体数が著しく減少した生物の保全には、遺伝的多様性、遺伝構造、ジーンフロー、遺伝的分化、交配様式、遺伝的荷重、対立遺伝子頻度における経時変化、人工繁殖における遺伝的に適切な交配相手の選定、違法盗掘防止のための個体識別等々、多くの遺伝情報が必要とされる。
本シンポジウムでは、チープ革命ともいうべき近年の遺伝解析技術の発達を活用し、個体数が数十〜数百にまで減少してしまった生物多様性ホットスポットの絶滅危惧種を対象に、現存する全個体の遺伝子型を特定し、その情報を基に、どの様な生物多様性保全アプローチがとれるか議論する。生育地に残存する全個体の遺伝子型を決定することを、本シンポジウムではユビキタスジェノタイピング(ubiquitous genotyping)と呼ぶ。
ユビキタスジェノタイピングによる、絶滅危惧種の遺伝的状況に関する知見や、生物保全上の有用性について、異なった履歴によって成立した2つの生物多様性ホットスポット(小笠原諸島と阿蘇山系)の事例をもとに議論する。
[S09-1] ユビキタスジェノタイピング:遺伝解析におけるチープ革命を生物保全にどう取り入れるか
[S09-2] 阿蘇山系における絶滅危惧植物の現状と保全活動
[S09-3] ユビキタスジェノタイピングにより見えてきた阿蘇山系の絶滅危惧種の現状
[S09-4] 小笠原諸島の絶滅危惧植物の現状と課題−ユビキタス・ジェノタイピングから何が得られるのか−
[S09-5] 小笠原諸島における絶滅危惧種の遺伝的多様性