| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
企画集会 T08 -- 3月16日17:30-19:30 I会場
生態系の機能の理解をめざす生態学者と微生物生態学者の間の協力関係は十分ではない.従来,多くの生態学的研究では,微生物群集を一定の機能が保証されたブラックボックスとして扱い,主に植物や動物の担う機能に注目してきた.一方微生物生態学では,微生物種レベルでの機能の多様性についての知見を蓄積しながらも,微生物と生態系の他の部分との関わりについては理解を進めてこなかった.このため,生態系維持にとって不可欠な機能を担う微生物群集における遺伝子や種の多様性が,生態系の多様性にどのように寄与しているかについての理解が進んでいない.
そこで本企画集会では,生態学者と微生物生態学者の協力関係促進のため,微生物の多様性情報の共有化に向けた微生物生態学会の取り組みについて紹介する(講演1・2).次に,微生物の多様性及び微生物群集と生態系の多様性の関係の理解を進めるため,大きく様相の異なる二つの生態系(海洋・森林土壌)それぞれにおける微生物の役割について紹介する(講演3・4).最後に, 企画集会「微生物学生態学者から学ぶ方法論」との連携のもと,総合討論を行う.微生物の多様性情報を生態系の多様性の理解に活用していくための方法について,生態学・微生物生態学それぞれに特有な概念 を整理し,今後の共通課題をさぐる. 以上により, 生態学者と微生物生態学者の交流を促進し,我が国における「生態系・生物多様性研究のネットワーク化」への寄与をめざしたい.
[T08-1] ICoMMおよびCOP10での微生物生態学者の取り組みの紹介
[T08-2] 微生物生態系の研究におけるデータベースの役割
[T08-3] 海洋生態系における微生物の役割:微生物海洋学への展望
[T08-4] 土壌微生物群集と樹木群集の相互作用:レビューと実証