| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
企画集会 T16 -- 3月18日15:15-17:15 F会場
温暖化などの気候変動に対する生物の反応の中で,フェノロジーの変化は最も顕在化しやすく観測しやすい現象である。日本は世界的にみてもフェノロジーが古くから正確に記録されてきた国であり,一般社会の関心も高い。しかし,生態学におけるフェノロジーと気候変動との関連づけには,研究目的と方法の両面で課題も多い。気候変化とフェノロジー変化をより高次で広域な生態的現象(ex.植生帯の移動・変容など)とどのように関連づけていくかを構想していくことが必要とされている。また,有効な既存資料・機器・技術の利用,記録の継承,さらには人や組織間の連携なども必要である。今回は,主として樹木フェノロジーを対象に,地上での観察やリモセンの応用,気象庁の観測資料の活用などのさまざまな手法を用いた研究事例を御紹介いただく。その中で,各観測・推定手法の得失と連携を論じつつ,近年の気候変動を背景として,樹木がフェノロジーの変化としてどのように反応し,それがどういった波及をもたらすのかについても議論する。以下の4題の講演のあとに、藤本征司氏(静岡大・農)によるコメントと総合討論を予定している。
[T16-1] 定点写真撮影による長期(1986−2009)の樹木フェノロジー調査
[T16-2] 衛星リモートセンシングによる展葉・紅葉フェノロジー観測
[T16-3] 温暖化の植物フェノロジーへの影響:マクロ生態学的アプローチ
[T16-4] フェノロジーの長期変動と植生の環境調節機能への影響