| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
企画集会 T17 -- 3月18日15:15-17:15 G会場
河川には在来性有機物と外来性有機物が混在し,これらは食物資源や生息場所として生物に利用されている.人の影響が少ない河川上流域では,河畔林から河川に多くの粗粒状有機物が供給される.粗粒状有機物は流入場所と異なる場所で生物に利用されることも多く,このうち落葉は全落下有機物の中で70%以上を占めており,上流域では落葉を起点とした食物連鎖が成り立つ.水中での落葉の移動や滞留場所は,河川の物理条件や葉の持つ特徴によって異なるため,河川の生物による落葉の利用を考える上で落葉の移動・滞留様式を知ることは重要である.
河川中流域や下流域では細粒状となった有機物が生物に利用されることが多い.中下流域での有機物の移動や滞留は,河川の規模や河畔,土地利用の状態などに影響され,上流域と異なった特徴を持つ.今回の集会では,上流域での落葉の移動と底生動物の利用に関して,落葉の流下実験結果とモニタリング手法について講演していただく.また,中流域と沿岸における有機物の移動・滞留や生物による利用についての事例をお話しいただき,河川上流,中下流,沿岸における有機物の流入・移動についての空間点な枠組みを構築するとともに,生物による利用についてそれぞれの場所での特徴や共通点を整理することを目的とする.
趣旨説明
河内香織:河川における粒状有機物の移動・滞留と生物による利用-北海道の小河川の事例をもとに-
コメンテータ
加賀谷隆(東京大学)
中坪孝之(広島大学)
浅枝隆(埼玉大学)
総合討論
[T17-1] 上流域において樹種ごとの落葉の滞留場所の違いと底生動物の定着について
[T17-2] 落葉移動のモニタリング手法について
[T17-3] 中下流部における粒状有機物の流下特性と水生生物との相互作用
[T17-4] 河口域における河川由来有機物の流入と底生動物による利用
[T17-5] 河口干潟における有機物の動態